白あんを炊く朝
店主 汐見 栄一

店の朝は五時半に始まります。最初にするのは、前の晩から水に浸けておいた豆を炊くことです。
白あんには、北海道の大手亡(おおてぼう)という白いいんげん豆を使います。一度ゆでこぼして渋を抜き、たっぷりの水でやわらかくなるまで炊きます。皮を外して水にさらし、布で絞ると生あんになります。そこに砂糖を加えて、銅の鍋で練っていきます。
練りの加減は、その日の気温と湿り気で変わります。へらで持ち上げて、落ちたあんが山の形に残るくらいが目安です。
柿や菊の練り切りは、この白あんに求肥を合わせて作ります。写真は、十月の柿に筋を入れているところです。
白あんを炊く日は、店の奥まで豆の匂いがします。九時半の開店には練り上げて、冷ましているところです。